こんにちは、りんごちゃんです。今回は原始反射について解説をしていきたいと思います。
みなさんは、原始反射って聞いたことあります?赤ちゃんのときにある反応のこと、大きくなったらなくなっちゃうもの…などいろんなイメージがあると思いますが、原始反射には沢山の種類があって1つ1つがとても面白いんです。
子育て中のママだけでなく、保育学生や保育士も原始反射について知識を深めると現場で役に立つと思うのでぜひ最後まで読んでみてください!
原始反射とは
原始反射とは、赤ちゃんが自分の意志ではなく無意識的に反応する動きのことを言います。
大人も熱い鍋に手が触れてしまったときなど反射的に手を引っ込めますよね?頭で考える前に体が動いてしまうのが反射です。
原始反射は生後すぐに見られ、その後だんだんと消滅していくのが特徴です。実際には胎内にいるときから原始反射はあると言われています。
原始反射の意味
原始反射は、未熟な状態で生まれた赤ちゃんをサポートし生かしていくためと反射を繰り返すことで動きを覚え意図的に体を使うことができるようになるための2つの意味があります。
原始反射は脳と脊髄の連携によっておきるので原始反射が適正期に発現し、消失しているのかを見ることで中枢神経が正常に発達しているかを見極める判断の一つになります。
逆に原始反射が出てこなかったり、左右差があったりする場合は発達に問題があることもあります。家庭でも見られる反射はたくさんあるので赤ちゃんの負担にならない程度に見てみるのも良いでしょう。
もちろん原始反射が全てではなく、個人差があるので過度に心配する必要はありませんが検診を受けることで見つかる病気もあるので決められた検診は受けてくださいね。
原始反射から得られる効果
原始反射の発現、消失によって様々な効果を得ることができます。
- バランス感覚の獲得
- 空間感知能力の獲得
- 姿勢の維持
- 運動神経の発達
このような効果を得ることができます。
生きるために必要な能力の獲得をしていくんだ
一体どんな反射があるの?
代表的な原始反射
モロー反射(4ヶ月頃まで)
モロー反射は、赤ちゃんの頭を支えながら体を持ち上げたあと、急激に落下させたときに赤ちゃんが腕をばっと開く反射です。
新生児期だけでなく生後4ヶ月頃までも赤ちゃんによく見られ、抱っこした状態からベットへ降ろす時や急に明るくなったときなど刺激があったときに起こる反射です。
反射でせっかく寝たのに起きちゃった…とモロー反射に悩まれるお母さんも多いですがモロー反射は、お母さんの体から落ちないようにしがみつく動作をとります。
産まれたばかりの赤ちゃんにとっては小さな刺激でも怖くて危険だと感じるため、些細な刺激でも反射的に抱きつくような姿勢をとり身を守ろうとしているのです。
把握(はあく)反射(4~6ヶ月頃/9~10ヶ月頃まで)
把握反射には「手掌(しゅしょう)把握反射」と「足底(そくてい)把握反射」の2種類があります。
手掌把握反射は手のひらを刺激すると、握るような動作をする反射です。よく、産まれたばかりの赤ちゃんが大人の指を握っていますがそれはこの手掌把握反射によって反射的に握られています。
手掌把握反射は4~6ヶ月ほどで消失し、その後は自分の意志でつかんだり握ったり出来るようになります。
足底把握反射は足の親指の付け根を押すと、すべての足の指が内側に曲がる反射です。手の把握反射とは異なり9~10ヶ月頃まで持続する原始反射です。
足底把握反射が消失すると、歩けるようになってきます。
把握反射は反射的に筋肉を動かし握力や脚力などの筋力を育てています。
哺乳(ほにゅう)反射(6~7ヶ月頃まで)
哺乳反射には3種類の反射があります。
探究(たんきゅう)反射(ルーティング反射)…口元におっぱいを近づけると、乳首を探すように口を左右に動かす反射。指を口元に近づけても起こります。小鳥のように口を開けておっぱいを探す仕草が可愛いです。
捕捉(ほそく)反射…唇に何かが触れると唇や口で捉えようとする反射。ハムハムと口を動かしておっぱいを飲もうとします。
吸啜(きゅうてつ)反射…口の中に入ってきたものに吸い付く反射。乳首だけでなく指やおしゃぶりなども加えると強く吸い付くことができます。
原始反射ではありませんが、口内に入ってきたものを飲み込む「嚥下(えんげ)反射」というものもあります。産まれたばかりの赤ちゃんは自らおっぱいを飲むことができないので、この反射の連携によって栄養を取ることができるのです。
バビンスキー反射(1~2歳頃まで)
バビンスキー反射は足裏の外側をかかとからつま先にかけて刺激すると足の指が開く反射。
バビンスキー反射っていうんだよ
バビンスキー反射は1~2歳頃に消失します。足裏を刺激されると反射が起きて指が開いてしまい地面を掴むことができないため、バビンスキー反射が消失すると歩行ができるようになります。
発達障害などでじっと立っていることが難しかったり、走り方が小刻みになってしまったりする場合はバビンスキー反射が残っている可能性も考えられます。
緊張性頸椎反射(11ヶ月頃/4ヶ月頃まで)
緊張性頸椎反射(きんちょうせいけいついはんしゃ)には対称性と非対称性の2種類があります。
対称性緊張性頸椎反射はうつ伏せの状態で頭を上げると腕が伸びて足が曲がる。反対に頭を下げると腕が曲がって足が伸びる反射のこと言います。生後6ヶ月頃に発現し、11ヶ月ころには消失します。
非対称性頸椎反射は仰向けの状態で顔を左右どちらかに向けたとき、向けた方の手足が伸びて反対の手足は曲がる反射のことです。顔を右に向けたら右の手足が伸びて左の手足が曲がります。
新生児の頃からある反射で、生後4ヶ月ころには消失します。
非対称性頸椎反射(フェンシング反射)が消失すると寝返りが打てるようになります。
ギャラン反射(4~6ヶ月頃まで)
ギャラン反射は抱っこをした状態で背中の外側を線を書くようになぞると下半身が左右に曲がる反射です。
背中をなぞると、おしりをぷりっと振ってくれるのでとても可愛いです。
ギャラン反射は、筋力をつけるためにあると言われています。体をしなやかに動かす反射なのでママの産道を通りやすくするためにできた反射とも言われています。
ギャラン反射は検診等で確認をすることはないのでつい見逃してしまいがちですが、とても可愛いので是非試してみてくださいね。
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姿勢反射
原始反射の中でも、姿勢反射と呼ばれる反射があります。
姿勢反射とは…姿勢の維持や平衡感覚を培うための反射のことをいいます。体を支えて倒れないようにバランス感覚を養っています。
パラシュート反射(6ヶ月頃から)
姿勢反射の代表にパラシュート反射というものがあります。
パラシュート反射は生後6~10ヶ月頃に現れる原始反射です。体を支えて抱き上げ、前方に傾けると体のバランスを取ろうと両手を前に出す反射のことをいいます。
転びそうになったとき、とっさに手が前に出て体を支えようとしますよね?それがパラシュート反射です。
大人になっても消失しない反射なんだよ
パラシュート反射にも2種類あり、横に倒したときに手が出て支えようとする反射を側方パラシュート反射、前に倒した時に手が出る反射を前方パラシュート反射というよ。
パラシュート反射は、9~10ヶ月検診で確認される項目です。パラシュート反射が発現しないと神経発達に異常がある可能性があります。
ですが、発達には個人差がありますし検診の雰囲気や人の多さから反射が出ない子や1歳になってから出てくる子もいるので検診で確認できなくても経過観察になることが多いです。
ランドー反射(3ヶ月~6ヶ月頃から)
ランドー反射はうつ伏せの状態で持ち上げた時に、頭を持ち上げる反射です。背筋を使ってバランスを取ろうとしています。
発生時期は3~6ヶ月頃で2歳頃までに消失します。 背筋を使う反射のため、ランドー反射がハイハイの獲得につながっているといわれています。
足踏み反射(2ヶ月頃まで)
原始反射の中でも特に期間が短い足踏み反射は別名、自動歩行反射とも言われます。その名の通り、体を支えた状態で足を床につけて前かがみにすると赤ちゃんが歩くという反射です。
2ヶ月ころまでに消失し、その後はおすわりやハイハイのステップを経て自ら歩けるようになっていきます。
ホッピング反射はパラシュート反射と同様に倒れないように足でバランスを取ろうします。大人になっても消滅しないのが特徴です。
こんな原始反射もあります
マイナーな原始反射はついつい見逃してしまいがちです。また、これって原始反射なの?と思うようなこともあります。ここからはちょっとマイナーな原始反射をご紹介します。
屈曲反射
別名 逃避反射といわれ、屈強反射は足裏を刺激すると下半身を縮める反射です。生後3ヶ月頃に消失します。
陽性支持反射
体を支えて足を床につけると体をぴーんと伸ばす反射です。生後2ヶ月ころに消失します。
台乗せ反射
片側の足を支えた状態でもう片方の足をテーブルの角にこするとテーブルの上に足を乗せる反射です。生後6ヶ月頃に消失します。
緊張性迷路反射
抱っこした状態で後ろに倒すと体が緊張し、前へ倒すと力が抜ける反射です。 生後6か月頃に消失します。
抱っこしてコテンっと頭を乗せる瞬間は可愛いけど反射なんだよ。
引き起こし反射
両手を持って体を起こすと頭を持ち上げようとする反射です。生後2か月頃に消失します。
瞬目反射
強い光を感じたり、風を感じるとまぶたを閉じる反射です。生後2~3か月ころから発現します。
まとめ
- 原始反射は赤ちゃんが生まれた時からある
- 原始反射はバランス感覚や運動神経の発達につながっている
- 代表的な原始反射に「モロー反射」や「哺乳反射」がある
- 姿勢の維持につながる反射を「姿勢反射」という
- 「瞬目反射」や「パラシュート反射」など消失しない反射もある
今回は原始反射についてまとめてみました。
家庭や保育現場でも見られる反射が多く、是非試してみたいと思ってのではないでしょうか?
この反射にはこんな意味があるんだ!と改めて勉強になった方も多いかと思います。
原始反射は消失時期があり成長に応じて見られなくなってしまうものが多いので見逃さないように注意してくださいね!